『となりのトトロ』が放送されたので、広く知られている都市伝説をまとめてみる。
11月4日の金曜ロードSHOW!は『となりのトトロ』が放送されました。ご覧になった方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、世間に広く知れわたっている『となりのトトロ』の都市伝説とその考察をまとめてみたいと思います。
主人公の女の子は1人だった説
『となりのトトロ』公開当時のポスターです。本編では、眠ってしまったメイちゃんをおんぶするサツキちゃんが立っていましたが、こちらは女の子がひとりで立っています。
最初はもともと1人の女の子だった?
Wikipediaにはこんな情報が。
本作の原型となる構想は、宮崎駿が1970年代に日本アニメーション、そしてテレコム・アニメーションフィルムに在籍していたころに書き連ねていたイメージボードに残されている。この時点では主人公の女の子は1人で、メイに似た外見をした5歳の女の子であり、サツキとメイのデザインと性格が混在していた。
宮崎によれば、当初女の子がトトロに出会う場面について、雨のバス停の時と昼間の時との2つの場面を思いついてしまい悩んでいたところ、映画化決定の1年前に入って主人公を2人の姉妹にすることを思いつき、サツキとメイの2人が生まれたという。
一方、現在のスタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫は、2008年7月12日放送の特別番組において、「もともと同時上映の『火垂るの墓』ともども60分の尺の予定が、『火垂るの墓』が90分に延びることになったので、じゃあトトロも80分以上にしようって話になった。どうやって20分も延ばすか悩んでいたが、宮崎監督が『主人公を姉妹にすれば、20分くらい延びるだろう』と言い出し2人になった」と語っている。
鈴木プロデューサーの口から語られているように、『火垂るの墓』の尺が延びたため、『となりのトトロ』の尺も延ばすことになり、それが渡りに船と言わんばかりに、宮﨑駿監督の「主人公を2人の姉妹にするアイデア」を実現するに至った、と考えられそうですね。
「ではなぜ、ポスターのデザインを変更しなかったか」ですが、主人公が2人になった映画化決定1年前より以前、すでにポスターは完成していて、予算的に作り直す余裕がなかったことが考えられます。
あるいは、ロマンチックな考察として、宮﨑駿監督が当初考えていた「主人公の女の子」を、せめてポスターのなかには残しておきたかったとか、「サツキとメイにかぎらず、純粋な心を持った子どもには、必ずトトロが見える」といったメッセージをポスターに込めた、とも考えられます。ポスターに書かれたキャッチコピーから、それがうかがえますね。
サツキとメイは死んでいる説、トトロは死に神説
「2ちゃんねる」が流行りだしたころからまことしやかに語られてきた都市伝説。ここでぼくがいろいろと考察するよりは、「1年で365本ひたすら映画を観まくる日記」さんに詳しく書いてあるので、そちらをお読みください。
スタジオ・ジブリの広報部が公式でコメントを発表するほど、独り歩きしてしまったこの都市伝説。さも真っ当そうな裏付けがされているため、信じる人も多かったんでしょう。
スタジオ・ジブリの公式コメントはこちら。
というわけで、まとめ。
有名な都市伝説2つをピックアップしてみました。どちらも「トトロ」を深読みするあまり生まれ、しかも人気作だからこそ、広がりすぎた感がありますね。
来週の金曜ロードSHOW!はこれまたジブリの人気アニメ、『紅の豚』が放送される予定です。