さよなら、僕が愛したグルート。映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の感想、レビュー。
こんにちは、もとむらはじめ(@motomurahajime)です。
気づけば2週間ぶりの更新となりました。
みなさま、5月の連休、連休明けの地獄の平日、いかがお過ごしでしょうか?
ここ最近、休日でもお構いなしに仕事したり、プロレスの過去の動画を漁ったりと、映画とは離れた生活を送っていまして…観たい映画は数あれど、なかなか観に行く機会がない状況でございました。
されど!この作品となれば、観に行かないわけにはいかぬでしょう!
今回は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を取り上げます。
「邦題がクソ」という話題は、いずれ記事にするとして…
僕は前作の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(GotG)が大好きでしてね。公開された2014年の個人的ベスト映画に挙げております。
MCU最新作として、期待も大きい作品。それでは、レビューへとまいりましょう。
- 映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
- 『スター・ウォーズ』の恩恵?素晴らしき宇宙人の多様さよ
- 同じようなシーンをMCUシリーズで観たような…
- ベビーグルートに決定的に乗れず...
- 良くも悪くもディズニー的になった「リミックス」
- というわけで、まとめ
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス|映画|マーベル|Marvel|
【原題】Guardians of the Galaxy Vol. 2
【日本での公開】2017年5月12日
【上映時間】136分
【監督】ジェームズ・ガン
【脚本】ジェームズ・ガン
【出演】クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ヴィン・ディーゼル
【あらすじ】ピーター(クリス・プラット)は“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”のまとめ役として、刑務所で出会ったくせ者たちを率いている。宇宙一荒っぽいアライグマのロケットは、ブツブツ文句を言いながらも小さな相棒ベビー・グルートと共に銀河の平和を守るために奮闘。緑色の肌を持つ美しい暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)らと共に行動し……。(シネマトゥデイ)
映画.comの評価平均点 4.3点 / 評価:68件
Yahoo!映画の評価平均点 4.64点 / 評価:396件
Filmarksの評価平均点 4.4点
僕の評価は100点中 65点
どのサイトものきなみ評価が高い…
まあ、期待の続編ですし、あのMCUシリーズですからね。
ただ、僕は前作の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が、公開当時の個人的年間ベストに挙げたいくらい大好きな作品なんですが、今回の続編は…
最初から最後まで「コレジャナイ」という思と闘いながらの鑑賞となりました。
面白くないとは言わない、前作を超えろとまでは言わない、でも、圧倒的に「1」の方が面白かった。
『スター・ウォーズ』の恩恵?素晴らしき宇宙人の多様さよ
「リミックス」で僕が一番感動したというか、感心したのは、宇宙人のデザインの多様性ですね。
「1」よりさらに磨きがかかってました。
ならず者集団「ラヴェジャーズ」のワルたちの面構えも好きなんですが、全身が黄金のソヴリン星人指導者のアイーシャ(あのエリザベス・デビッキが演じてる!)なんか特に好きですね。
ソヴリン星人がいわゆる無人戦闘機(ドローン)で遠隔操作しながら、しかも撃墜数とかを競っているところなんかは、「現代の戦争のあり方を皮肉っているように受け取ることができな」なんて真面目に思っていたら、80年代のアーケードゲームのようなSEに、周りのやつはゲーセンのハイスコアを見るようなノリ。あれはどんなギャグよりもひねりが効いててよかった。
さらに、今回登場した宇宙人のなかでも、とくにデザインがいいなあと思ったのは、ヨンドゥとスタカー(シルベスター・スタローン!)が最初に出会う星(惑星コントラクシア)にいた、マネキンのような宇宙人。
画像が見つからないんですが、あのデザインは本当に秀逸でしたね。
マンティス?
ドラックスが「醜い」って言ってましたけど、僕は黒目が大きすぎる顔って本当に苦手というか、生理的にダメみたいで(ネビュラはまだ許せる)、スクリーンに登場するたびに目を背けたくなるような悪寒を感じていました。
マンティスのデザインは個人的にダメ。
それはいいとして…こういった宇宙人の造形が前作に比べてパワーアップしてるのって、ディズニーが『スター・ウォーズ』のルーカス・フィルムを買収したことで、その技術がMCUにも継承された恩恵ってことなんでしょうか。
とにかく、こういった秀逸なデザインがどんどんMCUシリーズに伝播するのは大歓迎ですね。
同じようなシーンをMCUシリーズで観たような…
今回のラストバトル、エゴの惑星でエゴのコアを巡る攻防ですが…
何回やるんですかね、「最終的にはコアを破壊すればすべてOK」って。
それ『アベンジャーズ』でもやったし、別の作品で言えば『パシフィック・リム』でもやってたじゃないですか。
「敵の大群に囲まれた少数精鋭が奮闘する」って構図も、『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』でやったやつじゃん…
もうひとつ言うと、巨大な顔だけのラスボスって、つい最近『ドクター・ストレンジ』のドルマムゥでやってるじゃん…
敵が強すぎる、パワーインフレが振り切りすぎてる作品のクライマックスは、こうならざるを得ないんでしょうか…
使い回しがダメとは言いませんが、正直なところ食傷気味ですよね。
そう考えると、やっぱり「1」のラストバトルは素晴らしかったなあと。
『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』風ではありましたが、主力のガーディアンズがロナン&側近と戦い、ノバ帝国軍がロナンの戦闘機部隊と戦う構図。
空中戦が都市の上空ということもあり、ロナンの船の巨大感や、ドッグファイトの臨場感が十分に味わえましたね。
「インフィニティ・ストーン」の破壊の力を食い止めるために、クイル、ガモーラ、ロケット、ドラックスが手をつなぐシーン…思い出すだけで涙腺が緩む、超絶名シーンじゃないですか。
ひるがえって「リミックス」はというと、惑星エゴのコアというよくわからない空間で、既視感のある戦闘シーンが繰り広げられ、あまつさえ超サイヤ人神化したクイルまで登場するという始末ですよ。パックマンのくだりとか、もう心がポッキリと折れそうでした。
比べてもしょうがないかもしれませんが、これじゃあ「1」は到底超えられないです。最後にヨンドゥがアレしたのは、せめてもの救いなのかもしれませんが…
ベビーグルートに決定的に乗れず...
「GotG」のマスコットキャラとなったベビーグルート。
愛らしさに大きくかじを切ったそのキャラクターはおおむね好評のようですが…
僕のようにもとのグルートが好きだった人間は、どうも複雑な感情を抱いてしまいます。
のっそりとしてるんだけど、怒ると手がつけられないくらい強い、でも最後は自分を犠牲にしてまで仲間を守るという優しさを持つグルートを、心から愛していたのですよ。
今回のベビーグルートは、まさに幼児さながらと言うか、幼児の中でもちょっと発育が遅い?キャラクターになってましたね。
これまた「つい最近、どっかで観たなあ~」と思ってたら、ピクサーの映画『ファインディング・ドリー』のベビードリーでした。
可愛いは可愛いんですよ。ガーディアンズのメンバーがヌルヌルモンスターと戦っているのをよそに、気持ちよくダンスしてるオープニングも悪くはない(それでも「1」のオープニングには及ばないけど)。
でも、何というか「ほら!ね?ベビーグルート!かわいいでしょ?」っていう押し付けがましい製作者側の主張のように受け取ってしまうんですよ。以前のグルートにあった魅力がすべて「可愛い」に集約されてしまった感じ。まあ、「わかりやすいんだろうけど、そりゃないだろう」と。言ってしまえば可愛いだけ。
ヨンドゥのフィンを盗み出すくだりとか、爆弾のボタンのくだりとか、ちょっとこすり過ぎだし、何かの伏線にもなってないし、短時間で連発するのはさすがにしつこい。
せめてクライマックスの爆弾のボタンのくだりで、「正しいボタンを押せたのは、大きいグルートのときの記憶が蘇って…」みたいな伏線というか、前作とのつながりでもあれば、諸手を挙げて絶賛したんですけどね。
次はティーンエージャーになったグルートですか…早く成長して前のグルートに戻ってくれないかな…
良くも悪くもディズニー的になった「リミックス」
全体をとおして思ったことは、MCUシリーズの本流である「アベンジャーズ」が、「ヒーローとは何か」というシリアスで重いテーマに向かっている一方(「シビル・ウォー」に顕著)、支流の「GotG」がハチャメチャでオモシロを貫いているのは、息抜きという意味でも、とても良いことだと思ってます。
思ってますが…良くも悪くもディズニー的になったというか。
それは「ベビーグルート可愛いでしょ」推しだったり、ところどころ「点で取りに行く笑い」だったり、「あ、なんかこのへんディズニーっぽいな」と気づくところが随所にあって、僕好みの続編でなくなってしまったのは残念ではあります。
別に、「これはディズニーの圧力だ!」なんて極論は言いませんよ。ディズニーがマーベルを買収したのが2009年か2010年ですから、前作だってディズニーの影響を受けててもいいはずなんですが、今回はやたら「GotGのディズニー化」を感じてしまいました。
もちろん、「シッチャカメッチャカだけど、最終的には収まるところに収まる、そこが面白い」という高い評価があるのはわかります。誰かが「アトラクション的」と言ってましたけど、それがディズニー映画の良さっだたりしますからね。
でも、最初に乗れなかったら、最後まで乗り切れない辛さというのもあるんですよね~
「このジェットコースター、ぜんぜん怖くないな」と思ったら、あとはゴールするのを待つだけっていう苦痛を味わうような。
僕にとって「リミックス」は、結局最後まで乗り切れずに終わった作品となりました。
というわけで、まとめ
本作もエンドロールの後にちょっとしたおまけシーンがありますが、大事なのはそこよりも、エンドロール前のシーンですかね。
ソヴリン星人のアイーシャが何かやらかそうとしているようです。
でも、サノスという巨大な敵がすでにいるのに、また新たに敵増やしちゃって大丈夫なの?
まあ、これは杞憂でしょうが。
『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:リミックス』、残念ながら僕は最初から最後まで乗れませんでしたが、楽しい作品であることは間違いないと思います。
ぜひ劇場で!
前作はマジで名作です。おすすめ!
サントラもいいよ。