良い知らせと悪い知らせがある

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本当に良い映画も、良くない映画もレビューします。

『ゴッドファーザー』を観ていない人間が映画ブログ書いて何が悪い!

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筆者の厳選記事5選

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photo by Steve Troughton

 

こんにちは、もとむらはじめ(@motomurahajime)です。

 

今週の金曜日から3週連続で、日本テレビの『金曜ロードSHOW!』ではジブリ作品の放送が予定されています。ラインナップは13日が『風の谷のナウシカ』、20日が『千と千尋の神隠し』、そして27日が『耳をすませば』。

kinro.jointv.jp


ジブリ作品ランキングで上位5本くらいに入りそうなくらい、豪華なラインナップですね。「もう何度目だ!」というツッコミが聞こえてきそうですが、「ナウシカ」は約3年ぶり17回めの地上波放送です。


さて、こうして事あるごとに地上波で放送されるジブリ作品ですが、皆さんは全作ご覧になっていますか?

歴代ジブリ映画作品一覧 | 年代流行

 

あの名作観てませんけど何か

じつは、映画ブログを書いている身でありながら、僕はジブリ作品を全作網羅しておりません。観たことがないのは『ホーホケキョ となりの山田くん』と『猫の恩返し』。よっぽどのことがない限りは、この先も観ることはないでしょう。


さらに言うと、タイトルにも書いたとおり、名作映画といえば必ず名前が挙がる『ゴッドファーザー』シリーズは、1作めをぼんやりと観た記憶しかないし(馬の生首のシーンだけは記憶にある)、『ショーシャンクの空に』『ライフ・イズ・ビューティフル』といった、「映画ファンなら観ていて当然」とされる作品のことごとくを観ておりません。それなのに、「趣味は映画」とはっきり言えるし、こうやって偉そうに映画のブログを書いております。


そうするとたまに面倒なことがありまして。たとえば、映画好きの知人と映画を観に行ったとして、当然その後は鑑賞後の感想を語り合うわけですが、映画好きの彼が『ゴッドファーザー』とか『2001年宇宙の旅』とかの引用で話をしてくると、もうチンプンカンプンなわけですよ。それで「観たことないんだよね、それ」なんて言おうものなら、もう非難ごうごうで。

「観てないのに映画語ろうっての?」「なんで観ないの?面白いのに!」「DVD貸してあげるから観てよ!」

...なんて言われるわけですよ。

 

ひどい場合は、何やら「観ている俺が偉い、観ていないお前は映画を語る資格がない」といったマウンティングまでされる始末。それでも、頭のなかでは「興味のない昔の映画を観ろと言われても...」と、映画オタクが聞いたら速攻で首を絞め上げられそうなことを考えていたりする。


日本だけの風潮なのか、世界的な風潮なのかはわかりませんが、思うのは、「胸を張って『◯◯が趣味です』って言うの、ハードルが高くなってる気がするよなあ」ということ。


「◯時間以上その趣味に費やしている」とか、「最低限これくらいの技量や知識がある」とか、別にだれが決めたわけでもない、オタクなりマニアなりの間で決められた暗黙のボーダーやマウンティングが存在しているような気がしてならないんですね。


これまた僕の経験で言うと、僕は中学から大学まで陸上競技の長距離走をやってたんですが、「陸上競技の観戦」にはまったく興味がなかったんですよ。強豪校や選手の名前なんて、ほとんどわからないし、覚えるつもりもない。あの箱根駅伝をマトモに観た年って、たぶん1回か2回くらいしかないんじゃないかな~

それで年明けの部活に出ると、みんながニューイヤー駅伝やら箱根駅伝やらの話で盛り上がっているのに、僕は観てないのでまったく輪に入れない。顧問の先生にすら、「お前、箱根駅伝とか興味ないの?珍しいね」なんて言われる。あの時期は総出でハブられている気がして辛かった記憶が。

 

好きならそれでいいよね

けっきょく言いたいことは、「名作映画を観てない人間が映画を語って何が悪い!」ってこと。僕の場合で言うと、別に映画のすべてを語っているわけじゃなくて、僕が好きな映画を語りたいんで、そのなかにたまたま『ゴッドファーザー』や『ショーシャンクの空に』が入っていないだけなんです。


ところが、映画マウティングしている人に限って、たとえば『君の名は。』は、「あんなミーハーが観るような映画には興味ない」「あんな映画が流行るようじゃ日本の映画に未来はない」なんて言うわけですよ。

『君の名は。』より昔の名作の方が偉いってか?「昔の名作が語れる自分カッケー」で言ってないかそれ?文句つけるなら観てから言えよ、って話なんですけどね。

そういえば数日前にとある監督が『君の名は。』を叩いてたような...井筒監督?

blog.esuteru.com


まあ、考えすぎな部分もあるとは思いますが、暗黙のボーダーだったり、マウンティングだったりって、そのジャンルの敷居を高くしてエントリー層を入りづらくするだけ。

自戒を込めて言えば、たとえ映画ファンを名乗る人が、かの名作を観ていないとしても、それはその人の好みや考えあってのことだから、自分の物差しにはめてあれこれ避難したり価値観を押し付けたりせず、温かい目で接するべし...ということです。