2016年ベスト「映画のキャッチコピー」トップ10
こんにちは、もとむらはじめ(@motomurahajime)です。
東京ドーム1.4興行を観ていたら、すっかり遅い時間になってしまいました…
さて、今回は2016年の映画のなかから「優れたキャッチコピー」を選出して、ベスト10を作ってみました。
ちなみに過去の映画で僕が大好きなキャッチコピーがいくつかありまして、まずはジブリ高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』から
「私はワタシと旅にでる。」
それと、1999年のクレヨンしんちゃん映画『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』から
「脱いだら無敵。」
僕が思う良いキャッチコピーというのは、
- 短い言葉で映画を端的に表していること
- コピーをだけで、どんな作品かわかるレベルで印象に残ること
これを基準にトップ10を選出してみました。どうぞ!
- 第10位 超高速!参勤交代 リターンズ
- 第9位 KARATE KILL/カラテ・キル
- 第8位 栄光のランナー 1936ベルリン
- 第7位 映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃
- 第6位 この世界の片隅に
- 第5位 ルーム ROOM
- 第4位 ちはやふる 上の句
- 第3位 オデッセイ
- 第2位 シン・ゴジラ
- 第1位 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
- 番外編 スーサイド・スクワッド
第10位 超高速!参勤交代 リターンズ
金なし!人なし!時間なし!おまけに帰る城もなし!?
前作は映画じたいは面白かったんですが、コピーが寒くて。今回はちゃんと映画の内容をコピーの中に反映させていますし、韻を踏んでいるのも面白い。
第9位 KARATE KILL/カラテ・キル
未知なる殺人カラテ発動!この「
こちらまだ観てない作品なんですが、80年代の映画っぽいポスターデザインも含め、大好き。なんでしょうね、この惹かれるキャッチコピーは!「未知なる殺人カラテ」だって!?個人的に大好物な雰囲気がふんだんに漂っているので、DVD化されたら迷わず観たい一本。
第8位 栄光のランナー 1936ベルリン
この男、世界最速。ヒトラーにさえ、止められない―
政治とオリンピックの関係を考えさせる一本。原題が"Race"で「人種」と「レース」をかけた非常に秀逸なタイトルなんですが、邦題がちょっとね〜 ただ、キャッチコピーが映画の内容を端的に表していて、原題が伝える意味を反映させているようにも思います。
第7位 映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃
オラが寝るから大丈夫!!
もうひとつのポスターのコピーは「寝ねば。」。そちらは宮﨑駿監督『風たちぬ』の「生きねば。」を意識したのかな?でもスベってる感じがする。一方で、選出したこちらのコピーはちゃんと短い言葉で映画を端的に表してますね。コピーを観るだけだとわからないけど、本編を観ると実によく出来たコピーだったと気付かされます。
第6位 この世界の片隅に
昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。
映画のテーマにもバッチリ合ってるし、キャッチコピーだけでその作品がわかる、というのは素晴らしいコピーである証拠だと思うんですよ。『この世界の片隅に』のこのコピーも、目にしたら瞬時にすずさんのことを思い出しますよね。
第5位 ルーム ROOM
はじめまして、【世界】。
こちらもじつはまだ観ていない映画なんですが…このコピーには惹かれるものがあります。7年間監禁されていた部屋を抜け出し、初めて「世界」に触れる子どもの体験を、短い言葉でじつに情感たっぷりに表していると思います。C言語で最初に勉強する"Hello World"につながるものもあるのかな?
第4位 ちはやふる 上の句
強くなる―青春ぜんぶかけて
一見するとスポ根映画か何かを想像しますが、競技かるたを扱った青春映画。最初は文化系の部活の青春モノかと若干ナメて観に行ったら、見事にヤラれましたね。『ちはやふる』はスポ根映画にも負けぬ高揚感がありましたよ。いままでまったく知らなかった競技かるたのスポーツ性に気付かされましたし、選手が一斉に札を取るシーンからも、その熱さが伝わってきた。これは早く「下の句」の続きが観たい。
第3位 オデッセイ
70億人が、彼の還りを待っている。
「短い言葉で映画を端的に表している」の良例。エンタメ映画としてもサイエンス映画としても見どころがあったし、コピーどおり観客を「待っている70億人」のひとりにしてしまうのはすごい。じっさい映画の後半、救出作戦は手に汗握りましたからね〜
第2位 シン・ゴジラ
本当はこれが1位。僕の評価基準である「短い言葉で映画を端的に表している」のお手本のようなコピー。コピーが初めて公開されたときのワクワク感と、実際の映画のつくりがそうなっていることと、リズムも良くて口に出して言いたい気持ちよさも併せて至高のコピーと言えるんじゃないかなあ。
第1位 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
今度の魔法は、もっとすごい。
子どもから大人まで、ハリー・ポッターファンのみならず、すべての「ワクワクする体験」を待ち望んでいた人たちの心をつかむ素晴らしいコピーだと思います。難しい表現を使ってないのも好感がもてる。コピーを見ただけでハリポタのテーマソングのイントロが脳内再生されるくらい。映画の完成度も高くて、ポッタリアンでもないハリポタ弱者の僕が観てもすごく面白いと感じましたからね。
番外編 スーサイド・スクワッド
史上最強の”悪カワ”ヒロインと10人の悪党たち
はあ?劇中の邦訳が「なんとなく若者の間で流行ってるっぽい日本語」になってるとすごく冷めるんですよね… 今回はキャッチコピーですが、その最たる例がこれ。なに「悪カワ」って。だれもそんな略語つかわねーよ!って話でね。コピーを考えるのが難しいのはわかるけど、センスのかけらも感じないので最低賞として。
以上、僕が選んだ素晴らしいキャッチコピーの10本はこんな感じ。映画の解説以上に雄弁に映画を語っているし、すぐに映像が頭のなかで再生されますよね。
末席ながら文章を書く者として「上手いコピー」というのは、つねに意識しておきたいもの。2017年も心動かす映画のキャッチコピーに注目していきたいと思います。