良い知らせと悪い知らせがある

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本当に良い映画も、良くない映画もレビューします。

『この世界の片隅に』が超面白そう。TBSラジオ「たまむすび」で語られた、映画のみどころまとめ

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筆者の厳選記事5選

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TBSラジオ「赤江珠緒のたまむすび」に、映画評論家の町山智浩さんがゲスト出演され、今年のベスト映画「町山大賞」として『この世界の片隅に』を挙げておられました。

www.tbsradio.jp

konosekai.jp

クラウドファウンディングで制作された映画

一般的な映画は、制作会社や製作委員会が予算を出してつくられるもの。

ですが、『この世界の片隅に』は、クラウドファウンディングで制作資金が集められて制作された、ファンに支えられて完成した映画なんです。

まさに、「草の根の映画」なんですね。

 

 

とにかく素晴らしい映画

ゲストの町山さんはもちろん、パーソナリティの赤江珠緒さん、南海キャンディーズの山里亮太さんも、すでにこの映画を観られているようで、3人とも「むちゃくちゃいい映画」「とても泣けた」と絶賛されています。

というのも、「戦争を題材にしていながら、他とはひと味ちがった映画」ということなんですね。

どういったところがこの映画の良さなのか。

みどころをまとめてみました。

 

みどころ1 テンポがものすごくいい

町山さんが評していわく、「まるで『マッドマックス 怒りのデスロード』のようにパッパと話がすすむ」「すごいスピードで話は進んでいくんだけれど、ゆったりしている」。

あまりに意外な映画の名前が出てきて驚くばかりですが。笑

それだけサクサクすすむ作品なら、ぜひ観てみたいですね。

 

みどころ2 徹底的な取材によって、戦時中の庶民の生活が再現されている

お話の舞台は広島県呉市。

この瀬戸内の海をのぞむ呉市の再現度が、もう半端じゃないんだとか。

昭和10年代の呉の街を再現するために、現存している写真だけでなく、ご存命の方に徹底的にインタビューし、街並みはもちろん、街を歩く人に至るまで、あったとおりに再現したそうです。

この監督のこだわり、おそろしいまでの執念ですよ!

主人公・すずちゃんが大好きな、水彩画のような色彩も要チェックだそうです。

さらに、戦時中の物資が不足して苦しいはずの生活を、明るく楽しくのり切ろうとする庶民の姿が描かれているそう。

山里さんは、「戦争を描いているのに、戦争は怖いという印象を押し付けてこない」と感想を述べられてました。

こういうスタンスだと、「戦時中の庶民の苦しさを描いていない!」とか「庶民に節制を強要した戦争を肯定するのか!」みたいな声がどこからか聞こえてきそうです。

でも、「戦争はよくない!」みたいのは、平和な時代の人間だから言える価値観であって、当時の人がそんなこと思いながら日々の生活なんか送ってらんないですよね。

世の中がそうなっている以上、生き抜いていくしかないんだから。

そこに真正面に向き合っている作品だからこそ、絶賛されているのではないでしょうか。

さらにさらに、当時の街並みや生活風景だけでなく、ミリタリー描写もリアルかつ緻密ですごいんだとか。

町山さんいわく、「ガンダム、艦これ、ガルパンが好きなアニメファンは必ずミリタリー描写を観ろ!」。笑

こういったこだわりは、『BLACK LAGOON』というハードボイルドなクライムアクションも手がけられている、監督の片渕須直さんならでは、なんでしょう。

絵柄からは想像できないですが…これは甘く見ちゃいけないですね!

 

みどころ3 主人公のすずちゃん

主人公のすずは、広島生まれで水彩画が好きな、おっとりした女の子。

彼女が15歳のときに太平洋戦争がはじまり、18歳で会ったこともない男性と結婚、広島から呉へ移り住みます。

このすずちゃんが本当に可愛らしくて、魅力的なんだとか。

その声を担当したのが、「のん」こと能年玲奈さん。

lineblog.me

そのすずちゃんが、苦しいながらも持ち前のおおらかさで楽しく日常を過ごす姿を描きながら、一方で戦争という残酷な現実にさらされ、だんだんと笑顔がなくなっていく…

これは... 辛すぎる。

何と言っても、このお話が向かっていく先は、1945年の8月6日ですから。

その日に広島で何が起こったかをすでに知っている観客のぼくたちは、どうやって主人公すずちゃんの運命を見届ければいいのか…

観る前から胸が苦しくなるような思いがしますね。

 

というわけで、まとめ。

『この世界の片隅に』の見どころ3つ。

みどころ1 テンポがすごくいい
みどころ2 緻密な戦時中の庶民生活
みどころ3 主人公のすずちゃん

戦争を題材にした話ですから、どうしても辛い、苦しい映画をイメージしてしまいがちですが、最後の最後には「パンドラのはこ」のように希望が待っているそうです。

その思いがタイトルの『この世界の片隅に』に込められているのかもしれませんね。

他にも、「コトリンゴさんが歌う主題歌もせひ聴いてほしい」とのことでした。

絶賛公開中の『君の名は。』、『シン・ゴジラ』も傑作中の傑作でしたが、今年は本当に邦画の当たり年になりそうです。

『この世界の片隅に』は、11月12日(土)から全国公開です。

劇場情報|Theaterpage Master

 

2016/11/12 追記

『この世界の片隅に』鑑賞後のレビューはこちら。

www.motomurahajime.com

 

2016/11/21 追記

関連記事を書きましたので、こちらもぜひお読みください。

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