良い知らせと悪い知らせがある

良い知らせと悪い知らせがある

本当に良い映画も、良くない映画もレビューします。

そろそろ平成仮面ライダー劇場版の最高傑作を決めようじゃないか。

この記事をシェアする

筆者の厳選記事5選

f:id:motomurahajime:20161226014748j:plain

出典:仮面ライダーエグゼイド NEW KAMEN RIDER COMING!! | 東映[テレビ]

こんにちは、元村元(@motomurahajime)です。

先日アップしたこちらの記事が非常に多くの方に読んでいただいているため、急きょ今回の記事をアップするに至りました。

題して、「そろそろ平成仮面ライダー劇場版の最高傑作を決めようじゃないか」。

2000年の『仮面ライダークウガ』から最新作の『仮面ライダーエグゼイド』まで、じつに18作品が公開され、いまや「昭和ライダー」よりもシリーズが継続している「平成仮面ライダー」シリーズ。

今回はその平成仮面ライダーシリーズの劇場版より、筆者が選ぶおすすめ仮面ライダー映画をランキング形式でお届けします。

 

第5位

スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号

 

監督:柴崎貴行

脚本:米村正二

出演: 竹内涼真、中村優一、稲葉友、内田理央、半田健人、倉田てつを

あらすじ

1973年。仮面ライダー1号と仮面ライダー2号はショッカーを壊滅させるも、ショッカーが開発したとてつもない強さを誇るライダー、仮面ライダー3号によって亡き者とされてしまう。そして2015年、全世界はショッカーによって支配されていた。ショッカーの一員である泊進ノ介(竹内涼真)はショッカーの卑劣さを見るうちに、子供たちを救った仮面ライダーBLACKのことを思い出す。(シネマトゥデイ)

まあ決して出来の良い作品とは言えないんですが、何が良いって中村優一演じる桜井侑斗、倉田てつを演じる南光太郎、このふたりでしょう。とくに南光太郎は筆者が初めて観た仮面ライダーである「Black」の主人公ですからね。思い入れもひとしおなわけですよ。あのキレッキレの変身ポーズを劇場の大画面で拝めたことの多幸感と来たら。

肝心のグランプリはドライブと3号の対決となるため、他のライダーが噛ませ犬的な扱いなのが...仮面ライダーBlack RXは南光太郎としても登場してるし、何よりライドロンというライダーシリーズ初の四輪なのにもかかわらず、あっさり退場...もう少し活躍するシーンが観たかった!

最終的には「仮面ライダーロボ」なる巨大ロボが登場し、それに対抗するためスーパー戦隊の「ニンニンジャー」とその合体ロボまで登場して、かなりゴッチャゴチャになってしまいます。そこはライダー春休み興行の宿命なので致し方ないとしても、物語の結末を映画本編ではなく、特典DVD(とdビデオスペシャル)の「仮面ライダー4号」に持っていったのはいただけない。

 

第4位

仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー

 

監督:坂本浩一

脚本:高橋悠也

出演:飯島寛騎、西銘駿、松田るか、白石隼也、竹内涼真

あらすじ

正体不明のゲームウイルス生命体「パックマン」の感染が拡大し、人類は危機的状況に陥る。そんな中、仮面ライダーゴーストこと天空寺タケル(西銘駿)が感染。一方、研修医でもある仮面ライダーエグゼイドこと宝生永夢(飯島寛騎)は、敵の正体と感染源を突き止める。しかし、その真実はエグゼイドの運命を左右するものだった。(シネマトゥデイ)

ここ5年ほどの劇場版の中では、「サプライズフューチャー」に匹敵する完成度だと思います。便宜上第4位としてますが、個人的には次の「サプライズフューチャー」と同立で第3位!

全員ではないにせよ、やっぱりレジェンドライダーの主人公たちが揃うのはアツいですよね。これで佐野岳くんがいればさらに評価は高かったが(まだ言うか)...!

詳しいレビューについてはこちらで言及しています。

【関連記事】

ネタバレあり!最新映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』レビュー

 

第3位

劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー

 

監督:柴崎貴行

脚本:三条陸

出演:竹内涼真、内田理央、上遠野太洸、稲葉友、クリス・ペプラー、真剣佑

あらすじ

仮面ライダードライブこと泊進ノ介(竹内涼真)のもとに、未来から来たという自分の息子エイジ(真剣佑)が現れる。彼は、ドライブが乗るトライドロンのナビゲーションシステムにして変身ベルトでもあるドライブドライバーが暴走して、ロイミュードによる世界征服を促してしまうと警告される。やがて、エイジの言葉通りにドライブドライバーが異常をきたして破壊行動を開始、ドライブは指名手配犯として追われる身に。(シネマトゥデイ)

作品そのものは過去5年ほどのシリーズでも突出して面白いものの、平成ライダーシリーズ初期の「クウガ」や「アギト」に比べ、あまりにも警察組織が無能なのが残念でならない『仮面ライダードライブ』。

偶然にも、公開時期がほぼ同じの『ターミネーター:新起動 ジェニシス』っぽいお話になっており、先にそちらを観ていた結果、「あっ、こいつあとで裏切るな」という疑いがずっと晴れず、結局そいつはまんまと主人公の進ノ介を裏切り、拍子抜けするという事態に。

そういったツッコミどころは随所にあって枚挙にいとまがないわけですが、同じく三条陸さんが脚本を担当され、平成ライダー劇場版のなかでも屈指の名作『仮面ライダーW FOREVER A to Z/運命のガイアメモリ』っぽいアツい展開は燃えるし泣けるしで最高です(親子二人の変身は「ドラゴンボールZ」の親子かめはめ波っぽいシーンも個人的には好み)。

 

第2位

劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト

 

監督:田﨑竜太

脚本:井上敏樹

出演:半田健人、芳賀優里亜、泉政行、黒川芽以、ピーター・ホー

あらすじ

近未来。人間のほとんどはオルフェノクと化し、世界はスマートブレイン社によって支配されていた。生き残った人間の数は、わずか2千人余。最後まで希望を失わず、レジスタンス活動をつづける“人間解放軍”の象徴・園田真理は、乾巧が救世主・ファイズとして帰ってくることを固く信じていた。しかし、スマートブレインの総攻撃の前に消えた巧の消息は未だつかめていなかった。(シネマトゥデイ)

言ってみれば、「ショッカーに完全征服された世界の平成アップデート版」が舞台。ライダーの劇場版ではたびたびショッカーが支配した世界が描かれていますが、こちらは子ども向けとは思えないくらい、悪の秘密結社が世界を征服する”if”を、よりリアルなタッチで描き、シリアスでハードなディストピア世界になっています。もともとファイズ本編もダークな雰囲気がありましたからね。その点、大人の鑑賞に耐えうる作品と言えますが。

テレビの延長線上ではなく、登場人物と世界観をパラレルに扱った別モノとして楽しめるんですが、劇場版は、本編のファンとしては非常に辛いシーンが続きます。何と言っても、本編の腫瘍キャラクターたちが次々と生命を落としていく展開。これは平成ライダーの中でもとりわけキャラクター造形のレベルが高いファイズだからこそ、辛くて観ていられない。

とはいえ、辛いシーンばかりではなく、やっぱりライダーが活躍するシーンはアガります。まず心を奪われたのは、最初のアクセルフォームのシーン。暗闇のなかで光るファイズのボディもさることながら、10秒で敵を屠り去る神演出。さらに、クライマックスの1万人のエキストラを集めて撮影が敢行されたアリーナのでのバトルは、近年まれに見る圧巻のシーンに仕上がっています。

ひとつの映画としては高く評価できますが、先にも書いたように本来の仮面ライダーのターゲット層である子どもがついていけない作風になっているところは、少々残念。

 

第1位

仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ

監督:坂本浩一

脚本:三条陸

出演:桐山漣、菅田将暉、山本ひかる、木ノ本嶺浩、杉本彩

あらすじ

風都にAからZまでの26個の次世代ガイアメモリが突然ばらまかれ、凶悪な犯罪者たちが出現。そんな折、フィリップ(菅田将暉)はマリアという謎めいた女性と出会い、彼女の中に母親の面影を見る。巨大な陰謀が渦巻き、衝撃の事実が次々と明かされる中、翔太郎(桐山漣)とフィリップは仮面ライダーWとして風都を守る戦いに身を投じるが……。

文句なし、そしてぶっちぎりの第1位。平成仮面ライダーシリーズ16年の歴史のなかで、坂本浩一アクション監督と三条陸脚本のタッグが実現させた最高傑作であることは言うまでもありません。

本作では菅田将暉くん演じるフィリップにスポットが当たっているのがまたいいですね。この劇場版のエピソードを持ってTV版の最終話へとつながるあたり、「W」がいかに傑作ライダーなのかがわかります

とにかく出てくる登場人物すべてがことごとくキャラ立ちしていて最高。本作の敵である傭兵集団NEVER、中でも須藤元気さんが演じたオカマキャラの泉京水はもはや伝説ですね。「イケメンで強いのね!嫌いじゃないわ!」このセリフ一発で持っていってます。新ライダーとして登場し、その存在感を示すべきオーズが印象に残らないレベルで。

ライダーもぞれぞれかっこよくて、スピンオフが作られたくらいのエターナルはもちろん、ぶっちぎりでその存在感を示した「ジョーカー」。変身する桐山漣くん演じる翔太郎のセリフから神がかってましたね。「 どうやら切り札は…常に俺のとこに来るようだぜ…!」からの変身は最高にアガる。

さらに、これまでの平成シリーズでは剣や銃といった武器を駆使するライダーがほとんどだったなかで、まさに原点回帰の肉弾戦ライダー。久しぶりにシンプルかつカッコイイ「ライダーパンチ」と「ライダーキック」が観られる僥倖!

極めつけは原点回帰かつ初代ライダーにオマージュを捧げたクライマックス。風都市民の声援を浴びて立ち上がるWと、その声が呼び起こした「風」がダブルドライバーに力を与え、「サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム」へと変身を遂げる展開は、もう涙なしでは観られませんね!

 

というわけで、まとめ。

最初は「平成仮面ライダー傑作TOP15」をまとめていましたが、現在進行形で進めている「Huluおすすめ映画100選」の電子書籍化に向け、そちらの編集作業がたまっているため、ライダー傑作選は後回しにさせていただきました。

【関連記事】 

2016年12月度の誓い。電子書籍を出版します。

そういった事情で書きはじめた今回の記事。意外とW以降の平成ライダー2期の作品がラインナップしました。「アギト」「電王」の劇場版などもなかなか良作があるので、改めて発掘してみようかとは思っていますけどね。

今回挙げた「パラダイス・ロスト」「サプライズ・フューチャー」「運命のガイアメモリ」に関しては、TV版の本編を観ていなくても楽しめる作品となっていますので、仮面ライダー初心者の方も、子ども向けだから恥ずかしくて観られないという方も、今回のまとめを読んで興味を持たれた方は、ぜひぜひ鑑賞してみてください。

 

今年は、東映「仮面ライダー」シリーズの45周年記念イヤー。仮面ライダー初心者の方には、平成仮面ライダー全シリーズを完全網羅したこちらの書籍がおすすめ!