良い知らせと悪い知らせがある

良い知らせと悪い知らせがある

本当に良い映画も、良くない映画もレビューします。

おすすめのピクサー映画全17作品をランキング形式で紹介する。

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筆者の厳選記事5選

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『トイ・ストーリー4』の公開が2017年の9月に決定し、ますます期待の高まるピクサー映画。

前回は「30代の独身男性が選ぶ、おすすめのディズニー・アニメ映画TOP5」という記事を書きました。

www.motomurahajime.com

今回はピクサー作品、これまでに公開された『トイ・ストーリー』から『ファインディング・ドリー』までの全17作品をランキング形式で紹介します。

あくまでこれはぼくの主観であり、「どの作品が面白いか、面白くないか」は観られた方でそれぞれ判断していただきたいと思います。

ファンも多い作品なので、今さらランキングを付けるのもどうか…

とも思いまたが、意外と知られていない掘り出し物的な作品もあるため、新しい出会いの助けとなれば幸いです。

ランク付けをするにあたって、以下のルールを設けました。

・『プレーンズ』『プレーンズ2』はランキングから除外する。
じつは、この2作品にピクサー・アニメーション・スタジオはいっさい関係していない。
・短編アニメーション作品は含まない。

・客観的な評価基準は設けず、ぼくの主観でランク付けをする。

それでは、さっそくランキングへまいりましょう。

第17位 カーズ2

アニメーション映画史上最高の興行成績をあげ、世界中を感動で包み込んだ『トイ・ストーリー3』から一年。ディズニー・ピクサー待望の最新作は、圧倒的なスケールと多彩なキャラクターで贈る驚異のAction & Adventure・アドベンチャー。主役を務めるのは、『トイ・ストーリー』のウッディ&バズに劣らぬ人気を誇る、天才レーサー"マックィーン"と、おんぼろレッカー車の"メーター"の最強コンビ。彼らがラジエーター・スプリングスを飛び出し、ワールド・グランプリ・レースに挑む彼らが、世界を舞台にした"スパイ戦"に巻き込まれていく!

メーターを主人公にした意味は。
ガチャガチャやかましいし、観ている方も落ち着かない。
最初から最後までトラブルメーカーに終始しているのが不憫。
『カーズ』にハマった方ほどおすすめしたいような、おすすめしたくないような。

第16位 アーロと少年

もしも地球に隕石が衝突しなければ,恐竜と人間は同じ時代を生きられたかもしれない…。川に流されて迷子になってしまったアパトサウルスのアーロ。大きいのに弱虫な彼のピンチを助けたのは,小さな人間のやんちゃな男の子スポットだった。すべてが正反対で言葉も通じない2人が奇跡の友情で結ばれた時,忘れられない冒険が始まる。

アーロのデザインが可愛くない、たよりなさすぎてウンザリする。
お話のクライマックスが、ピクサーにしてはベタな「お涙頂戴」シーンだったのが少し残念。
ピクサーはもっとセンスの良い展開を見せてくれるはず。
ラスト、傷だらけで帰ってきたアーロの姿を見たママが、パパと間違うシーンはグッとくる。

第15位 メリダとおそろしの森

馬を駆り、弓を射ることが大好きなお転婆な王女メリダは、魔法で熊に変えられてしまった母を救う手掛かりを探して、森に足を踏み入れる。そこで彼女は、思いもよらない自分の運命と向き合うのだった。

原題「Brave(勇敢)」とはかけ離れた日本語タイトルはミスリードを誘うのでは。
主人公のメリダが弓の名手という設定だが、活かしきれてないのが残念。
ファーガス王は良いキャラしてるのが唯一の救い。

第14位 カーズ

天才レーサー、ライトニング・マックィーンの狙いはピストンカップ新人チャンピオン。しかし決勝レースに向かう途中トラブルに巻き込まれルート66沿いにある"ラジエーター・スプリングス"に迷い込んでしまう。これまで自分だけが勝つ事しか考えなかった彼だがいつのまにか住民達に家族のような温かさを感じるようになっていた。だが、遂にレースの日がやって来た。彼は決勝レースに間に合うのか?

たぶんピクサー作品のなかではもっとも賛否が別れるかもしれない。
でも、ラジエータースプリングスで貼られた伏線を、レースで回収していく展開はグッとくる。
ちなみに、クルマ好きが見るとキャラクター設定が実に巧みらしい。
ぼくはあんまりわからなかったけど…

第13位 カールじいさんの空飛ぶ家

78歳のおじいさんカールは、亡き妻エリーとの「いつか南米を冒険しよう」という約束を果たすため、一世一代の冒険の旅へ。思い出が詰まった大切な我が家に無数の風船をつけ、家ごと旅立つカール。少年ラッセルら旅の仲間たちとともに、目指すは南米の秘境、伝説の場所、パラダイスの滝!

物語序盤、カール夫妻のなれそめから死別までの映像だけで、涙腺が崩壊する。
「別れ」をテーマを描いているが、決して悲しくて暗いところに着地していないところは、さすがピクサーだ。
ちなみに、じいさん家を飛ばす風船は、「本当に家一軒を飛ばすのに必要な数」が描かれているらしい。
このクレイジーなまでの職人仕事だけでも、ピクサーが「世界一のアニメスタジオ」というのは疑いようがない。

第12位 トイ・ストーリー2

えっ!ウッディが盗まれた!?実はおもちゃのコレクターがノドから手が出るほど欲しがる超プレミア人形だったウッディ。「今度は自分たちがウッディを助けるんだ。」バズとおなじみのおもちゃ仲間たちは、決死の覚悟で外の世界に飛び出します。

ジェシーとブルズアイが可愛い。とはいえ、「ミッション・インポッシブル」っぽい潜入シーンや、バズとザーグの「スターウォーズ」パロディとか、「誰得だよ!」とツッコミたい。
そういうあからさまなネタに走らなくても「トイ・ストーリー」はじゅうぶん面白いのに。
とはいえ、他のピクサー作品と比べたら、圧倒的にクオリティーの高い作品であることは間違いない。

第11位 Mr.インクレディブル

Mr.インクレディブルことボブ・パーと妻のヘレンは、かつて世の中の平和を乱す悪と闘い、人々を危機から救い出す大活躍をしていた。ところが、15年前のスーパー・ヒーロー制度廃止を機に、夫妻は一般市民として暮らすことを余儀なくされ、3人の子供たちヴァイオレット、ダッシュ、ジャック・ジャックと共に、"普通"の家族生活を送ろうと努力していた。

インクレディブルファミリーの連携プレーが楽しい。
それぞれの能力を活かし尽くし、アイデアいっぱいの面白いバトルシーンを見せてくれる。
個人的には氷を操るフローズンの活躍が楽しくて仕方がなかった。
家族愛を描きつつ、現実社会に溶け込んでいくしかないヒーローの悲哀もたくみに織り込んでいる。
ファミリーのみならず、サラリーマンが休日にのんびり見る作品としてもおすすめ。

第10位 レミーのおいしいレストラン

料理が大好きなネズミのレミーは、一流レストランのシェフになることを夢見ていた。ある日、姿を家の主人に見つけられ、一族は巣を追われることに。レミーは家族とはぐれてしまい、ひとりぼっちでパリの一軒のレストランにたどり着く。そこはレミーが尊敬するフレンチ料理人、グストーのレストランだった!

お涙頂戴や痛快なアクションはないが、とにかく料理がうまそう。
クライマックス、ネズミたちが総出で料理するシーンは、胸アツ展開が大好物なぼくにとって最高のごちそうだった。
リアルに考えるとおぞましいことこの上ないはずなのだが…
「ネズミがレストランの厨房で料理をするとか不潔」などとマジレスする人には合わないかもしれない。

第9位 ファインディング・ドリー

あの「ファインディング・ニモ」の旅から1年後。カクレクマノミのニモとマーリン親子の大切な友達、忘れんぼうのドリーが突然思い出した家族の記憶-“カリフォルニア州モロ・ベイの宝石"。「今度は僕がドリーを助けるよ」、ニモやマーリンたちに支えられて、ドリーがたどり着いたのは海の生き物たちにとって禁断の《人間の世界》だった…。

前作のスマートな作りに反して、こちらは「続編のジレンマ」でいろいろと詰め込み過ぎた感のある作品。
何にでも擬態できる抜群のステルス能力を持ったハンク、エコロケーションで抜群の探知能力を持ったベイリー。
この2匹がいれば水族館なんて1日で制圧できるんじゃないかと思うくらいのチートぶりはさすがにやりすぎた感がある。
「こいつらがいたら何の心配もなくね?」と、ハラハラさせるようなシーンでも緊張感がそがれてしまう。
さらに、ほとんど何の役にも立ってないドリーとマーリン…もっと活躍させてあげて。
ただし、ドリーたち家族のエピソードは完璧。
絶望の先に待つ希望、待ち受ける感動は涙腺が崩壊すること間違いなし。
八代亜紀についてはノーコメントにしたいが、エンドロールの曲はとても良い。

第8位 インサイドヘッド

11才の少女ライリーの頭の中の“5つの感情たち”─ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミ。遠い街への引っ越しをきっかけに不安定になったライリーの心の中で、ヨロコビとカナシミは迷子になってしまう。ライリーはこのまま感情を失い、心が壊れてしまうのか?

公開時、映画館で本作を観たときは、なんと狂った作品かと思った。
会場がざわついた本編前のとある映像、どうかしてるとさえ感じた火山が歌うやつ(適当)。
さらに、「人間の喜怒哀楽をキャラクター化するなんて本気か?」とも思ったが…

いやいや、実によくできた作品。
頭のなかで起こっていることをキャラクターとして登場させ、ひとつの社会として作り上げ、何の破綻もなく観ているこちら側に納得させてしまう。
喜怒哀楽のキャラクターたちもそうだが、それ以上に、喜怒哀楽の感情表現がじつに豊かなライリーがいとおしくて仕方がない。

第7位 バグズ・ライフ


アリたちの国をおびやかすバッタのホッパーたちから仲間を守るため、一人「用心棒」探しの旅に出たフリック。彼が連れて帰ったのは、男っぽい性格とキュートな外見にギャップのあるテントウ虫のフランシスや、くいしんぼうイモ虫のハイムリックたち。

これ、ピクサー版『七人の侍』なんですよ。
ピクサーよ、なぜこれの続編を作らない。
たぶん、話を付け加える必要がないほど完結しているからだろう。
「トイ・ストーリー」が大人から子どもまで楽しめる作品なら、「バグズ・ライフ」は大人向け。
というのも、この作品のテーマは、『七人の侍』でも描かれている弱肉強食の原理だ。
とにかく、世界観の構築がよくできている。
作品の舞台である昆虫たちの世界をよく観察していて、「アリってなんでこんな行動を取るんだろう?」「昆虫のヒエラルキーってどうなってるんだろう?」というような疑問に対し、やたら納得のいく解釈をしてくれている。
食う・食われるをテーマにしていても、子どもに観せられないほどのエグみはないが、そもそも虫が苦って人は受け付けないかも。

第6位 モンスターズ・ユニバーシティ

「いつか必ず、怖がらせ屋になるんだ!」幼い頃からの夢を叶えるため、マイクはモンスターズ・ユニバーシティの怖がらせ学部に入り、猛勉強に励むことに。そこで出会ったのは怖がらせの才能に恵まれたサリー。見た目も性格も全く違う二人が、いかにして最強の怖がらせ屋コンビになったのか?

「インク」の前日譚なので、正直言うと新鮮味はないが、「負け組がナメてるやつらに一発かます」的な展開が大好きなぼくにとって、「モンスターズ・ユニバーシティ」は思い入れのある作品だ。
人間世界に迷い込んだマイクとサリーが協力して「あること」を成すシーンは、巧みな演出も相まってびっくりするほど感動する。
映画館で観たときは、もう涙腺がちぎれるかってくらい泣いたものだ。

第5位 トイ・ストーリー3

おもちゃの幸せは、子供たちと過ごす楽しい時間。しかし、子供はやがて成長し、おもちゃを手放す日が必ずやってくるのです。カウボーイ人形のウッディのご主人様も、大学に進学するために家を出ていくことになり、ウッディと仲間たちは保育園に寄付されてしまいます。しかしそこは、おもちゃを破壊しまくる凶暴な幼児たちが集まる"おもちゃの地獄"だったのです。

「これ以上ない!」ってくらい、完璧にストーリーを完結させた作品。
おもちゃがたどる運命を残酷に描きながらも、多幸感にあふれたハッピーエンドで締めてくれている。
1と2でキャラクターたちを大好きになってもらってから、満を持して観てほしい。
おそらく、3を観た人すべてがおもちゃたちに感情移入してしまい、アンディ同様別れを惜しむことだろう。

第4位 モンスターズ・インク

モンスター・シティ最大の会社、その名は《モンスターズ株式会社》。この会社の仕事は、モンスター・シティのエネルギー源である子供たちの悲鳴を集めること。そして、モンスターズ社のエリート中のエリートで全社員の憧れの的となっているのが、悲鳴獲得ポイントNO.1の怖がらせ屋、サリーことジェームズ・P.サリバンだ。

モンスターが子どもを脅かして採取されるエネルギーで、モンスターワールドのインフラは成り立っている。
危険なミッションをこなすモンスターは、ヒーローとして尊敬の眼差しを向けられる。
しかし、モンスターにとって子どもは危険な存在で、インクの仕事はつねに危険と隣り合わせである。
どうしてこんなぶっ飛んだ設定が思いつくんだろうか。
伏線の貼りかた、回収のしかたも巧くて、最後まで1秒たりとも飽きるシーンがない。
すべてを見せてくれるわけじゃないけどグッとくる、余韻を残したラストもいい。
つくづく「ピクサーは天才と狂人の集団」としか言いようがない。

第3位 ファインディング・ニモ

元気で好奇心いっぱい、カクレクマノミの子供ニモは、初登校に大喜び。でも、ニモは同級生たちに度胸のあるところを見せようと、心配性の父マーリンの制止を振り切ってサンゴ礁の外に出たことから人間にさらわれてしまいます。

迷子の我が子を探す父親の話でありながら、実は父親が子離れする話。
もっと深いところでは、ニモやドリーといった障害を持つ人たち(魚)と、どうやって向き合うかというメタファーにもなっている。
まあ、そんな難しいことを考えなくてOK。
最後までテンションの下がりようがない、一難去ってまた一難といった抜群の展開を楽しんで欲しい。
エンドロールで流れるジャズ「beyond the sea」が超オシャレ。
お子さんをお持ちのお父さんはこれを観よう。

第2位 トイ・ストーリー

アンディはオモチャが大好きな男の子。彼が部屋からいなくなると、おもちゃたちだけの時間が始まります。リーダーはアンディの一番のお気に入り、カウボーイ人形の"ウッディ"。ところがアンディの誕生日に最新式のおもちゃ、スペース・レンジャーの"バズ・ライトイヤー"がやってきます。

おそらく、多くのピクサーファンが最高傑作に挙げるであろう作品。
それは間違いない。
いっさいの妥協を許さない、完璧な作り。
おもちゃたちのキャラクター付け、人間とおもちゃの関係性、伏線の回収も見事。
とくにすごいと感じたのは、ウッディー、バズ、そして悪ガキのシドの豊かな表情だ。
文字どおりロケットダッシュでモロに向かい風を受けたときのウッディーの顔。
真実を知ったバズの、絶望と、少しの「まだ受け入れがたい」という複雑な顔。
ウッディーを手に入れてどんな悪さをしてやろうかと企む、シドのサディスティックな顔。
おもちゃの動き、赤ちゃんの動きに定評のあるピクサーだが、表情の描き方にも注目してほしい。
何度も、だれとでも観たくなる、「いいからまずはこれを観て」とすすめたい作品。

第1位 ウォーリー

29世紀の地球。700年もの間、たった独りでゴミ処理を続けているロボット【ウォーリー】。彼の夢は、いつしか誰かと、手をつなぐこと。ある日、そんなウォーリーの前に、真っ白に輝くロボット【イヴ】が現れる。一目惚れしてしまったウォーリーが、イヴに大切な宝物"植物"を見せると、思いがけない事態が!

第1位は意外な作品だと思われるかもしれない。
子どもから大人まで楽しめるが、どのピクサー作品よりも大人が見るべき作品だと思う。
無機質なロボットを、ちょっとしたパーツの動きで表情豊かに描いているのは、驚くばかり。
ピクサーのキャラクター造形、ここに極まれり。
もちろん、キャラクターだけでなくストーリーも完璧だ。
一切のセリフなく、とつぜん荒廃した未来の世界に放り出されたかと思いきや、徐々に謎が紐解かれていき、全貌があらわになったときの、「とんでもねえ世界観を描いてやがる!ピクサーこええ!!」感。
オープニング、本編、エンディング、エンドロール、そして最後の最後まで、乾いた雑巾を絞るかのごとくアイディアを詰め込んだ、「トイ・ストーリー」以上に完璧、完璧を超えた作品として、第1位とさせていただいた。

 

総評

ランキングの低い作品ほど辛口で短め、ランキングの高い作品ほど分量を意識して書いた。

読者のみなさまそれぞれで思い入れのある作品は違ってくるだろうが、この記事を読んでいただけた方には、ぜひコメンとなりTwitterなりで、大好きな作品について言及してほしい。

いずれディズニー・アニメ作品でも、全作品をランク付けした記事を書くつもりである。