圧倒的じゃないか、ジオンのモビルスーツは。:機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 レビュー
11/19から2週間限定で公開が開始された、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』。
新宿ピカデリーで鑑賞してきましたので、今回はそのレビューをお届けします。
若干ネタバレ(ファンからすれば周知のことですが)も含みますので、前情報なしで鑑賞されたい方は、ご注意ください。
予告映像はこちら。
MSどうしの戦いの前哨戦
今回はジオンのMS-05ザクI(旧ザク)と連邦のRX-77(最初期型ガンキャノン)のモビルスーツ戦が観られます。待ってました!本作一番の見せ場です。
これがまあ実に見事で、MSのビジュアルやディテールもそうなんですが、なにより「重さ」が感じられるのが良い。
歩行するにも、武器を構えるにも、ちゃんとそこに「重量感」があるんですよ。だもんで、ザクIが振り上げたヒートホークがガンキャノンの脳天に振り下ろされ、少し間を置いて爆発…までの流れに「重さ」がついてくるので、これが効く効く。
お話の都合上、ザクI無双すぎるのはちょっと気になるんですけど、それはそれでナメられてるジオンが、調子乗ってる連邦に一発かましてる感じがよく出てます。
ちなみに、自衛隊が取材協力しているので、ミリタリー的な要素はかなり本格的。架空の兵器MSもいちいち説得力があって最高です。ガンダム好きの自衛官に取材してますね、確実に。
イケイケどんどんのシャアとボンクラアムロの対比
これも対比として描かれていた、イケイケのシャアと、まるで覇気のないアムロ。
とくにアムロのボンクラっぷりは最高ですね。エヴァンゲリオン第一話のシンジ君並みの受け身っぷりです。
オリジンではアムロのクラスメイトとなっている、フラウ・ボウ、ハヤト、カイも登場します。アムロがボンクラすぎて、彼のことを心配しているフラウ・ボウが不憫すぎる。
まあでも、そんな彼がゆくゆくはガンダムに搭乗して、並み居るジオンのMSをぶっ倒していくわけですから、感慨深いものですよね。
ラストの演出、おれならこうする
ネタバレというか、核心に触れる話をすると、本作ではじめて「ガンダム」の名前が出てきます。
ガンキャノンの量産でジオン対策はバッチリとタカをくくっていた連邦(アナハイムエレクトロニクス社)が、ジオンのMSの圧倒的な性能を目の当たりにし、冷遇されていたテム・レイ(アムロの父親)がガンダムの開発の必要性を説く…という流れで。
このシーンはラストに欲しかった。
劇中で連邦の最新のMS開発が進められていることは示唆しながらも、観客にはそれとなく知らせるくらいに留めておいて、最後にバァーーーンとぶち上げる。
これ、ものすごいカタルシスが生まれると思うんですけどね。
その流れを引き受けて、森口博子さん(Zの後期主題歌『水の星へ愛をこめて』を歌ってた!)が歌う本作の主題歌『宇宙の彼方』へ結ぶとか、もう最高じゃないですか。
次回は2017年秋!
いよいよ人類史上最大の一年戦争勃発!
でも公開は1年後!
さらにその次の回は2018年公開予定!
これまで半年に1回公開のペースだったのが、1年待たされるわけですか…
まあ、それだけ制作に時間をかけてるってことは、いよいよオリジンも大詰めってことなんでしょうけどね。
気長に次の公開を待つとしましょう。
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