良い知らせと悪い知らせがある

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本当に良い映画も、良くない映画もレビューします。

ネタバレあり!最新映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』レビュー

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筆者の厳選記事5選

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こんにちは、元村元(@motumurahajime)です。

先週まではなかなか観たい!っていう作品もなかったのですが、12月2週めの土日、映画界隈はここから「冬休み映画」の大作が目白押しのシーズンになります。

というわけで、今日は新作映画を2本、鑑賞してきました。

1本めは『海賊とよばれた男』

原作者の百田さんが「映画の宣伝に私の名前はほとんど出てこない」って言ってたけど、たしかにドラえもん映画の予告では真っ先に「原作 藤子・F・不二雄」の名前が出てくるのに、『海賊とよばれた男』では見なかったような…

まあそれはおいといて。『海賊とよばれた男』のレビューは明日にでもアップします。なかなか良作でしたので乞うご期待!

2本めは『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』

相変わらずタイトル長げえ~~~!

今回の記事ではこちらを「ネタバレありで」レビューします。まっさらな状態で鑑賞されたい方は、筆者がレビューした他の記事をご覧いただけますと幸いです。

それでは、仮面ライダーエグゼイドの劇場版、「平成ジェネレーションズ」のレビューへとまいりましょう。

 

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白石隼也くん、佐野岳くん、竹内涼真くんの登場は?

予告編で話題となっていた、過去のライダーを演じた「白石隼也くん、佐野岳くん、竹内涼真くんは登場するのか」という件について、早速ですがネタバレします。

 

仮面ライダーウィザード・操真晴人役の白石隼也くん、出ます。

相変わらず魔法使いを生業としている晴人として登場します。劇中ではウィザード4スタイル、フレイムドラゴン、オールドラゴン、インフィニティスタイルに変身します。


仮面ライダードライブ・泊進ノ介役の竹内涼真くん、出ます。

霧子との間にもうすぐ第一子が誕生するようです。左手の薬指には結婚指輪が。劇中でタイプスピード、タイプワイルド、タイプテクニック、タイプフォーミュラ、タイプトライドロンに変身します。


仮面ライダー鎧武・葛葉紘汰役の佐野岳くん、出ません!

最初から仮面ライダー鎧武として登場します。劇中では未開の星から突然現れたり、二度と変身できないはずの進ノ介にベルトさんを渡したりと、超人的な力を発揮する存在に。パインアームズ、イチゴアームズ、ジンバーレモンアームズ、カチドキアームズ、極アームズに変身します。

ん〜 予告では白石隼也くん、竹内涼真くんの登場は予想できたんですが…

佐野岳くんは残念ながら出演とはならなかったようですね。

新旧5人の主人公が揃うと、「平成ジェネレーションズ」も一段と締まったでしょうが、それぞれスケジュールや事務所の意向などもあるでしょうから、なかなか難しいのかもしれませんね。

とはいえ、晴人と進ノ介の「その後」が少しだけ垣間見られるので、過去作のファンの方には十分なサービスになってると思います。とくに進ノ介が決戦前に霧子に電話するシーンにはぐっとくるものがありましたからね。

 

この記事を書いている途中に映画の公式サイトをのぞいてみたら、トップページに佐野岳くんの姿がありません… ネタバレも何も、映画を観る前から公式の方でしっかりと確認できますね。

www.movie-taisen.com

 

新しいライダーの登場は?

仮面ライダー映画の冬休み興行とくれば、「サブライダー」の登場が定番となっていますね。過去には『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』にて、テレビに先駆けて「仮面ライダーマッハ」のお披露目がありました。


今回は、新しいライダーの登場はありません。

その分、これまた劇場版の定番である「新しいフォーム」「劇場版限定フォーム」のお披露目はてんこ盛り。ひとつずつ観ていきましょう。

 

仮面ライダーエグゼイド

ゴーストゲーマーレベル2

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パンフレットより引用

エグゼイド劇場版限定フォーム。

前作のライダーの力を借りて新しいフォームに変身するのは、MOVIE大戦からの定番でしたね。
こちらは序盤に1回だけ登場。カイガンゴーストガシャットを装填して変身します。これまでのエグゼイドのフォームに比べて、かなりシンプルな印象です。

 

ダブルアクションゲーマー レベルXX R/XX L

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エグゼイド新フォーム。

ゴーストが最強形態「ムゲン魂」を超えたさらに上のフォームに変身するため、エグゼイドの新フォームがそれに見劣りしていては面白くない…ということでこれか!

まさに、この発想はなかった!まさかパワーアップのフォームが「2人」とは!!分身ではなく、分裂ということになっていますが… ネーミングを見るに、一気にレベル20にアップ?ということなんでしょうか。

発想の斜め上を行き過ぎて、むしろかっこいい。2人で1体の敵をボッコボコにするシーンは圧巻です(いろんな意味で)。必殺技がシンプルに「ライダーキック」なのも、往年のライダーファンには嬉しいご褒美。

 

仮面ライダーゴースト

エグゼイド魂

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前作のライダーが新作ライダーの力を借りて新しいフォームに変身するのも、MOVIE大戦からの定番。エグゼイドのマスクのインパクトが強すぎるため、どう見たってエグゼイドにしか見えないんですが、かろうじてフードがゴーストっぽさを残しています。

 

テンカトウイツ魂

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ゴースト本編に登場したノブナガ魂に加え、ヒデヨシ魂、イエヤス魂がひとつになった「テンカトウイツゴースト魂」を用いて変身します。

個人的には、今回の劇場版でもっともアガったのがテンカトウイツ魂への変身シーン。ゴテゴテ感のあったグレイトフル魂、ムゲン魂に比べシンプルで洗練されたフォームになっているところがカッコいい。

 

今回登場するライダー、フォーム総まとめ

仮面ライダーウィザード
フレイムスタイル
ウォータースタイル
ハリケーンスタイル
ランドスタイル
フレイムドラゴン
インフィニティースタイル

仮面ライダー鎧武
オレンジアームズ
パインアームズ
バナナアームズ
イチゴアームズ
ジンバーレモンアームズ
カチドキアームズ
極アームズ

仮面ライダードライブ
タイプワイルド
タイプテクニック
タイプフォーミュラ
タイプトライドロン

仮面ライダーゴースト
ムサシ魂
エジソン魂
闘魂ブースト魂
グレイトフル魂
ムゲン魂
エグゼイド魂<NEW>
テンカトウイツ魂<NEW>

仮面ライダースペクター
ノブナガ魂
フーディーニ魂
ツタンカーメン魂
ディープスペクター

仮面ライダーネクロム
グリム魂
サンゾウ魂

仮面ライダーエグゼイド
アクションゲーマー レベル1
アクションゲーマー レベル2
ロボットアクションゲーマー レベル3
ゴーストゲーマー レベル1<NEW>
ゴーストゲーマー レベル2<NEW>
ダブルアクションゲーマー レベルXX R/XX L<NEW>

仮面ライダーブレイブ
クエストゲーマー レベル1
クエストゲーマー レベル2
ビートクエストゲーマー レベル3

仮面ライダースナイプ
シューティングゲーマー レベル1
シューティングゲーマー レベル2
コンバットシューティングゲーマー レベル3

仮面ライダーレーザー
バイクゲーマー レベル1
バイクゲーマー レベル2
チャンバラバイクゲーマー レベル3


仮面ライダー×仮面ライダー並の登場数ですね〜

さすがに各サブライダーの活躍は全編通してもちょっとしかなかったのは惜しいところですが。

それとエグゼイドの敵?である仮面ライダーゲンムは、劇場版には登場しませんでした。ただ、ラストの意味深なシーンがTV版へとつながっていきそうです。

 

ようやく本編レビュー

本作を語る前提として、登場するキャラクターとライダーについて先に書き置きました。ここからいよいよ本編のレビューです。

今回は「良かったところ」「残念なところ」に分けてレビューしていきます。

 

良かったところ

敵幹部:武田上葉を演じた山本千尋さん

https://pbs.twimg.com/media/Cy8PE3VVIAAxOjm.jpg:large

出典:シネマトゥデイ(@cinematoday)さん | Twitter

文句無しに本作のMVPです。

最初観たときは「スタントの人かな?」と思ったんですが、実は彼女、3歳から中国武術を学び、世界大会の金メダルにも輝いたことのある生粋のファイター。 「刃牙シリーズ」で言うところの烈海王ですよ!

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彼女の抜群の身体能力とアクションは、坂本監督のフェティッシュなまでのカメラワークもあり、もう何時間でも観ていられますね。変身後よりも変身前のほうが明らかに強そうなのがまた良い。

武器の刀がじゃっかん玩具っぽかったのが何とかならんかったかなとは思いましたが、それでもキレッキレのアクションは堪能させてもらいました。

 

最強の敵:Dr.パックマンこと財前美智彦を演じた佐野史郎さん

https://pbs.twimg.com/media/CwgD6y5XUAAtc3L.jpg:large

出典:シネママニエラ(@cinemaniera)さん | Twitter

仮面ライダー映画なので当然ながら小学生前後の男の子が多かったんですが、佐野史郎さんが画面に出てくるたびに、筆者の後ろに座っていた男の子が「怖い〜もう帰りたい〜」とグズってました。笑

たしかに、もう「そこまでやってくれるんですか!!」ってレベルの怪演と顔芸を披露してくれるわけです。これぞ悪役の鑑、仮面ライダーの宿敵ですよ!スクリーンの前の子どもたちを恐怖に陥れてこそ!!

今回のキャストの中ではもっともキャリアが長く、様々な役をこなしてきた俳優さんですから、その存在感は圧倒的でしたね。こちらも変身前のほうが強そうに観えたのがまた面白い。

 

竹内涼真VS棚橋弘至

仮面ライダードライブの泊進ノ介こと竹内涼真くんと、今回悪役のひとりとして登場する新日本プロレスの棚橋弘至選手。この二人の生身のバトルは本作のベストバウト。

いやもうセルリアンブルーの四角いリングが見えるんじゃないかってレベルで良いプロレスやってました。

棚橋選手の得意技、スリング・ブレイドの変化球っぽい技を竹内くんに繰り出したかと思うと、すかさず竹内くんは棚橋選手の腕をとって三角絞め。シーンにしてはごくわずかな時間でしたが、いやいやまばたきもせず観ていて良かったですよ、ここは。

スリング・ブレイドの動画を貼っておきますね。

www.youtube.com

 

泊進ノ介のシーンのほぼすべて

 

個人的に、ここ数年の仮面ライダーではドライブが突出して面白かったと思うのですが、やっぱり進ノ介が出てくるとアガりますね。霧子こそは登場しませんでしたが、表情にいい旦那さんっぽさがにじみ出ていたし、TV版終了から2年経って、先輩ライダーとしての威厳というか風格がしっかりと感じ取れました。

先に挙げた棚橋選手とのバトルといい、まだまだキレッキレのアクションを観ていたい俳優さんですね、竹内くんは。

「たとえ変身できなくても、ベルトさんがいなくても、俺は刑事で仮面ライダーだ!」 」

 

ポッピーピポパポ

https://pbs.twimg.com/media/Cyf8-P_UAAAgPZ6.jpg:large

相変わらずかわいい。

 

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悪かったところ

もう少し観せてほしかった、坂本監督のアクション演出

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photo by Vincent Diamante | Flickr

坂本浩一監督といえば、特撮ヒーローのみならず、日本のアクション映画界のトップランナーですよ。

ライダーだけでなく、ウルトラマンや戦隊でもアクション監督として活躍されていますし、近年の特撮ヒーロー映画の最高傑作ともいえる『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』も監督されています。

その坂本監督は変身前の俳優にアクションをさせたり、アクションを主軸として物語を展開させていくというスタイルが持ち味なんですが、今回はちょっとアクション少なめな印象でしたね。

アクションが少なくなった分、キャストが大声で叫んだり、「信じる」「信じる力」という台詞を連発したり、怪我を押して戦う姿勢を見せるも仲間から止められたり…といった、似たようなシーンが何度も繰り返され、ドラマパートではじゃっかん萎えてしまったところもあります。

さらに、ライダーなら絶対に外せないバイクアクションも今回はほとんどなく、格闘アクションもド派手なエフェクトでかき消されてしまって、坂本監督らしいアクションが観られなかったのは残念です。

せっかく新旧ライダーが揃うわけですから、個別の見せ場のために、敵とタイマン張らせるのは必然であったにしても、もう少しライダー同士が連携して戦うシーンがあってもよかったかなあ。

 

ドライブ愛ゆえの、もう少し丁寧な描写を

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71CL7upChFL._SL1500_.jpg

先にちょこっとだけ書きましたが、進ノ介とベルトさんの再開はもう少し丁寧に描けんもんかなあと思いました。「鎧武が神の力を行使してベルトさん持ってきたよ」っていうのはねえ…

ここは「ドライブの劇場版を公式設定と見るか否か」にもよるんですが、せっかくなら部外者の鎧武が持ち出すよりも、進ノ介自身の手でベルトさんを発見するなり発掘するなりしてくれれば、もう少しドライブ復活の感慨もあったはずです。

5人ライダーが勢揃いするシーンでは、エグゼイドを差し置いてのセンター。もう少し進ノ介とベルトさんのドラマを描いてくれれば、ドライブファンの筆者としては本作に100点満点をあげられたんですけどね〜

 

というわけで、まとめ。

ライダー映画は「3号」以来ご無沙汰だったので、久しぶりのライダー映画、堪能しました。

筆者のような立派な大人がノコノコ観に行って、子ども向けの映画にあーだーこーだ言うのは筋違いかと思われるかもしれませんが、いやいや、ライダー映画は「日本最高のアクション映画」ですよ。

アクションパートだって、ドラマパートだって、もっともっと質の高い、それこそ大人の鑑賞にも耐えうる作品というのは作れるはずです。実際、「運命のガイアメモリ」がそうだったわけですから。

今回の『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』、ドラマパートがモタモタしている部分もありましたが、全体的にはかなり楽しめる内容でした。

何より、全員とはいかなかったまでも、新旧の主人公を揃えたのは「よくやった!」と拍手を贈りたいですね。

 

2016/12/12 追記

平成仮面ライダーシリーズの劇場版をランク付けしました。

【関連記事】 

そろそろ平成仮面ライダー劇場版の最高傑作を決めようじゃないか。

 

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