良い知らせと悪い知らせがある

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ベネディクト・カンバーバッチ主演、MCU最新作、映画『ドクター・ストレンジ』の感想、レビュー

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筆者の厳選記事5選

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こんにちは、もとむらはじめ(@motomurahajime)です。

 

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)待望の新作、ベネディクト・カンバーバッチ主演『ドクター・ストレンジ』。今回もいつものように立川シネマシティの極音上映回で鑑賞してきました。

『ドクター・ストレンジ』はMCU第14作品め。シリーズ初の「魔術を使うスーパーヒーロー」でもあります。主演に英国ドラマ『SHERLOCK』でもおなじみのベネディクト・カンバーバッチを迎え、すでに公開されたアメリカでは、2016年の全米年間興行収入第10位という健闘ぶり。

 

TOP10のうち6作品がディズニーという...

cinema.ne.jp

 

日本でも、ファンのみならず公開が待たれていた大作です。僕自身、公開前から特集記事をアップするくらいの熱の入れよう。

 

それでは、さっそくレビューへとまいりましょう。

 

 

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映画『ドクター・ストレンジ』

www.youtube.com

ドクター・ストレンジ|映画|マーベル|Marvel|

【原題】Doctor Strange

【公開】2016年11月4日/アメリカ

【上映時間】115分

【監督】スコット・デリクソン

【脚本】スコット・デリクソン

【出演】ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、ベネディクト・ウォン、マッツ・ミケルセン

【あらすじ】ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、天賦の才能を持つ脳外科医として名をはせていたが、ごう慢さが玉にきずだった。彼は地位も名誉もリッチな生活も手に入れていたが、交通事故によって全てをなくしてしまう。神の手と崇拝された両手の機能を取り戻すため、高額な治療を繰り返すが……。

映画.comの評価平均点 3.4点 / 全9件

Yahoo!映画の評価平均点 3.51点 / 全57件

僕の評価は100点中 55点


カリオストロの書やらアストラル体やら暗黒次元やら... 本作独自の専門用語がバンバン出てきて、台詞のひとつひとつを追っていくのは諦めた方がいいかも。それよりも、驚愕の映像表現に身を委ねた方が楽しめるでしょう。

とはいえ、僕は3Dでは鑑賞しておりませんで...(立川シネマシティでは2D字幕の極上爆音上映のみ) 3Dで観たら、自己評価に+10点はできたんじゃないかと思います。


観た感想をざっくり言うと...

予告動画以上でもなく、予告動画以下でもない。

 

本作はヒーローが魔術師(“魔法”ではないらしい)ということで、まだまだ絶賛公開中の『ファンタスティック・ビースト』で観たような映像がちょこちょこ出てきて、別の作品なのになんだか既視感がありました。「どっかで似たようなことやってたよなあ~」なんてね。

 

ベネ様が素晴らしいのは当然、映像が凄まじいのは当然

最初に言っておくと、ベネディクト・カンバーバッチ最高。

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「一番好きな海外ドラマを挙げよ」と質問されたら迷わず『SHERLOCK』と答えられるほど、僕自身ベネ様ことベネディクト・カンバーバッチという俳優さんが大好きでして。『SHERLOCK』のシャーロックも性格ねじくれてて天才、『ドクター・ストレンジ』のドクター・ストレンジも性格ねじくれてて天才。SHERLOCKファンとしては終始あたたかい目で鑑賞できましたよ。MCUシリーズ1つ前の作品『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でちょっとだけ登場した、マーティン・フリードマンとの共演が今から楽しみなんであります。

 

こっちの「相棒」は長いこと変わらないのがいいよね

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あわせて、語るほどでもないですけど、本作の最大の「売り」である「まだ見ぬ驚愕の映像」は、見事でした。さすがディズニーというか、ディズニーなら当然というか。僕は2Dで観ちゃったんですけど、iMAX3Dなんかの巨大なスクリーンで鑑賞したら、その真価がいかんなく発揮されると思います。


...と、褒めるに値する部分はこんな感じかと。


鑑賞してみて真っ先に思ったのが、「予告動画以上のサプライズはなかった」。

たとえば、僕がMCUシリーズ最高傑作だと思っている『シビル・ウォー』には、予告以上の様々なサプライズ、おみやげが準備されてましたよね。スパイダーマンの参戦しかり、マーティン・フリードマンの登場しかり。

じゃあ、当の『ドクター・ストレンジ』はというと... ベネ様すばらしい、マッツをはじめとする脇を固める俳優陣もすばらしい、驚愕の映像表現はもちろんすばらしい。でもそれって、予告動画で予想できたこと。それ以上のものが、本編から得られなかった。

もちろん、ドクター・ストレンジお披露目の作品ですから、ガイド的な側面はあったにせよ、『アントマン』の楽しさほどではなかったかなあと。

 

以下、ちょっとネタバレ。

 


原作コミック『ドクター・ストレンジ』の最大の敵であり、実写版の本作でも大ボスとして登場するドルマムゥ。あのサノス(『アベンジャーズ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に登場するMCUシリーズ最強の敵)にも一目置かれる存在です。

そのドルマムゥ。個人的に実写版のビジュアルがどうも好みでない(ぜひ劇場でご確認いただきたい)。こっちの方が個人的には好みかな、と。

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ビジュアルはともかく、たしかに暗黒次元の支配者だけあって、ビジュアル的に強そうは強そう。でも、本作ではなんだか「物わかりのいい人」みたいな感じで終わっちゃってるのが残念。それを「これまでのMCUシリーズとは異なる(異色の)決着の付け方」と見ることもできるんだろうけど、僕はもう少し趣向を凝らしてほしかったなあと。

「ドルマムゥ 取引に来た」×5 はさすがにクドいと思ったり...

なんなら本編には登場せず、存在を匂わすくらいにしておいてほしかった。『アベンジャーズ』のエンドロール後にお目見えとなったサノスのように、「もっとやべえ敵がいるぞ!」みたいな扱いだと、続編の「ヒキ」にもなったと思うんですけどね。

 

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魔術だけじゃあ食い飽きる

劇中でストレンジ先生が「ドクター・ストレンジ」の呼称にこだわったのは、「医者として人間の命を救うという矜持(きょうじ、プライド)」があったからだと思いますし、本作の大きなテーマのひとつに、「最先端の科学などではとうてい解明し得ない世界にストレンジ先生が向き合っていく」というのがあったとは思いますが、もう少し「最先端の科学だって役に立つ」ってところがほしかった。


というのも、中盤以降、何をするにしても魔術、魔術。「これ魔術なんで、そこんとこヨロシク」と、観客に前提を踏まえさせて、好き勝手にやりすぎてゴチャ感があったのは否めない。なんというか、あまりにもインフレが過ぎてとっ散らかっていた印象。けっきょく「時間操れたら最強説」じゃないですか。

 

時間を止めたり戻したりする能力は、昔から最強の証ですよね。

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そういうこともあって、「期待していたもの以上のサプライズがなかった」って感じちゃったんですよ。

予告でもギャグとして使われていた「Wi-Fiのくだり」とか、伏線だと思ってたら一発ギャグ以上のものがなくて。ストレンジ先生は世界でも指折りの天才医師なんだから、もっと「魔術と医療、夢のタッグ」を見せてほしかったと思います。

たとえば、「ストレンジ先生はマッツ・ミケルセン演じるカエシリウスに、魔術の真っ向勝負では勝てないけど、天才医師としての技術と知識とユーモアセンス、そして魔術を組み合わせることで、1+1を100にも1000にもできる」みたいなね。

それこそ、パンフレットにも書かれているような「大人のヒーロー」になり得たのではないかと。「最強アイテムであるアガモットの目を持ってたから勝てました」じゃあ、やっぱり食い飽きちゃいますよ。多少原作コミックからズレるとしても、そのあたりでワクワクさせてほしかった。

 

「医療のくだり」で言うと、後半でストレンジ先生が瀕死のエンシェント・ワン師匠を病院に連れてきて、以前はあれだけ高慢な態度で接していたウエスト先生(時計がうるさいって言われてた人)に執刀をお願いするシーンとか、カーマ・タージの修行を通して人として成長したストレンジ先生が垣間見られて、個人的に本作で一番グッときましたねえ。最後は医療ドラマとして締めちゃってもいいんじゃないかと思ったくらい。

 

というわけで、まとめ

まとめってわけでもないんですが... 

『ドクター・ストレンジ』のパンフレット、通常版(820円)と特別版(950円)の2種類が販売されています。

特別版パンフレットは、通常版とは絵柄と素材が異なる表紙(クリアカバー)、そして主演俳優のベネディクト・カンバーバッチのサインが印刷されたヴィジュアルカード(額装もできるA4サイズ)がついています。(MARVEL公式ホームページ)

『ローグ・ワン』もパンフレットに通常版と特別版ありましたよね。これからディズニー映画のパンフレットはどれもこの2パターン体制で行くんでしょうか...


オッサンのぼやき程度に聞いて欲しいんですけど、なんというか、「130円くらいの価格差だったら、わざわざ2パターン作る必要なくない?ちょっと商売っ気が出すぎてて頭抱えちゃうよ、ディズニー」なんて思っちゃいました。

僕が敬愛する映画ライターの高橋ヨシキさんが『ローグ・ワン』で言及されていたように、ディズニーの「権利ホルダー」ぶりがちょっと幅を利かせてきたなあというか...

www.youtube.com

 

まあ、ビジネスのことなんで、グッズが売れることで次の映画の制作費に回れば大歓迎なんですけど...ディズニー映画がますます「作品」から「商品」になっていってるような、一抹の寂しさを感じちゃうんですよね。

なにはともあれ、2017年は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミック』に『マイティー・ソー/ラグナロク』と、MCU作品が続々と公開されます。今後のシリーズの展開を楽しみに待つとしましょう。

 

上映中ずっと思い出してた『フルアヘッド!ココ』。「わかるぅ!」って人はコメントくださいね笑

 

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